原生林の地・屋久島
2005.09.15-18

◇ いろんな意味で無謀な旅 ◇

3連休を利用して(しかも会社を2日休んで)屋久島に行って来た。
自分としては未踏の地である。
しかも中途半端な知識しかなく、無人島だと思っていた。
到着してみると小さいながらも街があり、道路も整備され、
スーパーなんかもあって、ちゃんと人が住める場所であった。
初日はとりあえずほとんど人がいないビーチで海水浴。
明日、山に登るというのに、クタクタになってペンションに戻ってきた。
今思えば、いろんな意味で無謀な旅だった。


◇ 縄文杉を目指して ◇

この島に来て屋久杉、特に縄文杉を目指さない人はいないだろう。
島のほぼ中央に位置するこの杉は、樹齢7200年、
まさに縄文時代から生き続けてきた老杉だ。

到着翌日、朝5時起きで眠い目をこすりながらレンタカーで出発地を目指す。
7時に出発地点に到着。先客の車が駐車場に列をなしていた。
出発地点にはトロッコが置いてあった。
誰もが「コレに乗せてってくれ〜」と思ったはずである。
つまり、しばらくはトロッコ道を延々と歩くことになる。

どれくらい歩いただろうか、気の遠くなるような道のりである。
初めは冗談も交わしつつスタートしたが、同じような景色が延々と続くと、
さすがに気が滅入るし、足も疲れてくる。
ただ、途中々々に川を跨ぐ橋が架かっていて、
恐る恐る足を進めながらも、そこから見える景色は絶景であった。

延々2時間半、やっとトロッコ道が終わったかと思うと、
そこからは足場も悪い急な山道を登らなければならなくなった。
目的の縄文杉までの距離は、先のトロッコ道より圧倒的に短いハズなのだが、
かかる時間はほぼ同じだという。。。気を失いようになった。
ともかく、ここで戻るという選択肢は有り得ないので、
トイレ休憩だけすませて、いざ出陣。

600mほどの地点で既に10キロくらい歩いたような気分だったが、
ようやく重要ポイントであるウィルソン株に辿り着いた。
名前の由来は、「ウィルソンさんが発見したから」という、
そのまんまな理由らしい。
中は空洞になっていてヒンヤリとしている。
なかなか見応えがあった。

次第に険しくなっていく山道をさらに登っていく。
所々に木製の階段があって、非常に有り難い。
どうせならエスカレータにして頂きたいと思う。(無理)

やっと目的地か。。。と思い、ふと見上げると人の渋滞。
やはりみんななるべく長く達成感を味わいたいのだろう。
上野のパンダ見物と大して変わらない光景だった。

しかし、肝心の縄文杉には直前までしか近づけない。
やはり保護の観点から、致し方ないのか。。。
縄文杉は確かに迫力があったが、近づけないのはちょっと残念だった。

帰り道。。。同じ道を帰るというのも人生修行の道なのか。。。
正直、縄文杉を見た時よりも出発点に帰着した時の方が感動した。(マジで)


◇ 屋久島1周ツアー ◇

当然、翌日は全身筋肉痛。。。かと思いきや、足首あたりに
多少痛みを感じるものの、さほどではなかった。
歩く、という運動は、体にそれほど負担をかけないものなのか。
ということで、3日目は観光に徹することにした。

隣の種子島には高速ジェット船「トッピー」で渡る。
「トッピー」とはこの辺りで良く採れるトビウオの愛称だそうだ。
南端のロケット発射基地に行きたかったのだが、
着いた港が正反対の北側であり、断腸の思いで割愛。
とりあえず鉄砲伝来館とやらに行ってみたところ、
火縄銃からライフルまで、かなりたくさんの銃剣が
展示されており、なかなか楽しめた。

夕方、また屋久島に戻って島巡り。
この島、まん丸な形なので、本能的に一周りしてみたくなる。
とりあえず、滝を目指して時計回りに車をとばす。
ほとんど信号が無いので、精神衛生上、非常に良い。

途中、サルとかシカに出くわす。
ここのサルは餌付けされていないからだろうか、
凶暴な日光のサルと違って大変落ち着いている。
自分も見習わなければならないと感じた。(悲しい)

大川の滝。
落差はそれほどではないが、水流が2本あり迫力があった。

屋久島北端から見る夕日。
嗚呼、来週からまた仕事か。
メール溜まってるんだろうな。。。


◇ 現実逃避の終わり ◇

最終日、本土へのフライトはpm3時頃だ。
少し時間があるので、見残した所をまわった。

白谷雲水峡。
水と空気と緑だけで出来た空間は、さすがにドラマのロケ地にも
選ばれるだけあって非常に美しい景観だった。

千尋の滝。
ちょっと遠目だが、なかなか壮観。
宮崎駿の「千と千尋」はこの滝から命名したらしいが、
こちらは「ちひろ」ではなく「せんぴろ」。

トローキの滝。
海に注ぐ珍しい滝。
この滝も遠目でしか見れず少々残念。
名前の由来は「轟き」から来ているとか。
それにしてもオレって"滝マニア"か?

飛行機に乗って本土へ。
時間を忘れさせてくれる旅だった。
今度来るときは、ちゃんと準備運動をしてこようと思う。


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