◇ いろんな意味で無謀な旅 ◇ 3連休を利用して(しかも会社を2日休んで)屋久島に行って来た。 自分としては未踏の地である。 しかも中途半端な知識しかなく、無人島だと思っていた。 到着してみると小さいながらも街があり、道路も整備され、 スーパーなんかもあって、ちゃんと人が住める場所であった。 初日はとりあえずほとんど人がいないビーチで海水浴。 明日、山に登るというのに、クタクタになってペンションに戻ってきた。 今思えば、いろんな意味で無謀な旅だった。 ◇ 縄文杉を目指して ◇ この島に来て屋久杉、特に縄文杉を目指さない人はいないだろう。 島のほぼ中央に位置するこの杉は、樹齢7200年、 まさに縄文時代から生き続けてきた老杉だ。 到着翌日、朝5時起きで眠い目をこすりながらレンタカーで出発地を目指す。 7時に出発地点に到着。先客の車が駐車場に列をなしていた。 出発地点にはトロッコが置いてあった。 誰もが「コレに乗せてってくれ〜」と思ったはずである。 つまり、しばらくはトロッコ道を延々と歩くことになる。 どれくらい歩いただろうか、気の遠くなるような道のりである。 初めは冗談も交わしつつスタートしたが、同じような景色が延々と続くと、 さすがに気が滅入るし、足も疲れてくる。 ただ、途中々々に川を跨ぐ橋が架かっていて、 恐る恐る足を進めながらも、そこから見える景色は絶景であった。 延々2時間半、やっとトロッコ道が終わったかと思うと、 そこからは足場も悪い急な山道を登らなければならなくなった。 目的の縄文杉までの距離は、先のトロッコ道より圧倒的に短いハズなのだが、 かかる時間はほぼ同じだという。。。気を失いようになった。 ともかく、ここで戻るという選択肢は有り得ないので、 トイレ休憩だけすませて、いざ出陣。 600mほどの地点で既に10キロくらい歩いたような気分だったが、 ようやく重要ポイントであるウィルソン株に辿り着いた。 名前の由来は、「ウィルソンさんが発見したから」という、 そのまんまな理由らしい。 中は空洞になっていてヒンヤリとしている。 なかなか見応えがあった。 次第に険しくなっていく山道をさらに登っていく。 所々に木製の階段があって、非常に有り難い。 どうせならエスカレータにして頂きたいと思う。(無理) やっと目的地か。。。と思い、ふと見上げると人の渋滞。 やはりみんななるべく長く達成感を味わいたいのだろう。 上野のパンダ見物と大して変わらない光景だった。 しかし、肝心の縄文杉には直前までしか近づけない。 やはり保護の観点から、致し方ないのか。。。 縄文杉は確かに迫力があったが、近づけないのはちょっと残念だった。 帰り道。。。同じ道を帰るというのも人生修行の道なのか。。。 正直、縄文杉を見た時よりも出発点に帰着した時の方が感動した。(マジで) ◇ 屋久島1周ツアー ◇ 当然、翌日は全身筋肉痛。。。かと思いきや、足首あたりに 多少痛みを感じるものの、さほどではなかった。 歩く、という運動は、体にそれほど負担をかけないものなのか。 ということで、3日目は観光に徹することにした。 隣の種子島には高速ジェット船「トッピー」で渡る。 「トッピー」とはこの辺りで良く採れるトビウオの愛称だそうだ。 南端のロケット発射基地に行きたかったのだが、 着いた港が正反対の北側であり、断腸の思いで割愛。 とりあえず鉄砲伝来館とやらに行ってみたところ、 火縄銃からライフルまで、かなりたくさんの銃剣が 展示されており、なかなか楽しめた。 夕方、また屋久島に戻って島巡り。 この島、まん丸な形なので、本能的に一周りしてみたくなる。 とりあえず、滝を目指して時計回りに車をとばす。 ほとんど信号が無いので、精神衛生上、非常に良い。 途中、サルとかシカに出くわす。 ここのサルは餌付けされていないからだろうか、 凶暴な日光のサルと違って大変落ち着いている。 自分も見習わなければならないと感じた。(悲しい) 大川の滝。 落差はそれほどではないが、水流が2本あり迫力があった。 屋久島北端から見る夕日。 嗚呼、来週からまた仕事か。 メール溜まってるんだろうな。。。 ◇ 現実逃避の終わり ◇ 最終日、本土へのフライトはpm3時頃だ。 少し時間があるので、見残した所をまわった。 白谷雲水峡。 水と空気と緑だけで出来た空間は、さすがにドラマのロケ地にも 選ばれるだけあって非常に美しい景観だった。 千尋の滝。 ちょっと遠目だが、なかなか壮観。 宮崎駿の「千と千尋」はこの滝から命名したらしいが、 こちらは「ちひろ」ではなく「せんぴろ」。 トローキの滝。 海に注ぐ珍しい滝。 この滝も遠目でしか見れず少々残念。 名前の由来は「轟き」から来ているとか。 それにしてもオレって"滝マニア"か? 飛行機に乗って本土へ。 時間を忘れさせてくれる旅だった。 今度来るときは、ちゃんと準備運動をしてこようと思う。