韓国見聞録 -Business trip to KOREA-
1999.04.28 〜 1999.05.01

4月28日(水)

「なんで西に飛ばなきゃいけないのに遙か東の成田空港まで行かなきゃいけないんだ...」
誰もが思うであろう(?)矛盾を感じながら成田エクスプレスでゴトゴトと1時間半.搭乗する
飛行機はあの「大韓航空」である.例の支那大陸墜落事故で幹部が全員クビになったそうです
が、安心は出来ません.しかし、何も対策できないままそのまま韓国へ到着(笑).

初日は移動日でしたので、午後はまるまる観光です.ただ、観光のメニューはあちら営業さん
がほとんどアレンジしてくれたので、我々はただ言われるままについて行くだけでした.金浦
空港はソウル中心からかなり西に外れているため、まずそのまま広い国道を車で北上して板門
店手前の展望台まで移動.2時間くらいかかりましたが、道中は殺風景で日本の田舎風景とあ
まりかわりませんでした.

展望台は軍の施設の一部らしく、兵隊さんが見られました.韓国では未だ戦時体制であるため
徴兵制がしかれていて、大学在学中かあるいいは卒業後に2年間の兵役が課せられるようです.
天気が良かったので展望台から北朝鮮の風景がはっきり見渡せました.数棟のアパートなどが
見られましたが、特にどうといった景色ではありませんでした.まあ、「北朝鮮を見た」とい
うだけですね.あちらにも展望台のようなものがあるでしょうから、お互いストーカーのよう
に覗き合っているのでしょうか、想像すると笑ってしまいます.展望台の内部には色々展示物
がありましたが、なにせあの奇怪なハングル文字しかないので全く意味不明だったのが残念で
した.一説によるとハングル文字は世界で最も合理的な表音文字らしいのですが、私には暗号
にしか見えません.そうそう、そう言えば、記念書きコーナーに小沢自由党党首が書いたもの
が掲示されていました.「北と南が仲良く出来るように」のような事が書いてありましたが、
全くその通りです.同じ民族同士がいがみ合った戦争なんて他にないですよ! 私も一筆書い
て小沢氏の隣に貼り付けようかと思いましたが、恥ずかしいのでやめました.^_^;

ソウルに帰ってくるともう夕方で、市内はかなり渋滞していました.韓国の道路は日本と違っ
て右側通行ですが、片側4車線などかなり広いので走りやすそうです.それでも町の中心部で
は大渋滞が当たり前らしく、完全に車社会なのだそうです.

渋滞の中、何とかホテルにたどり着いて荷物を置いてすぐにまた車で出かけます.今日は焼き
肉を食べさせてくれるとのことで、予想通りです.店はごく普通の地元の人が行きそうな店で
したが、一応部屋が仕切られていてアットホームでなかなか良い雰囲気でした.韓国の焼き肉
は野菜などを巻いたりして食べるのは知っていたのですが、驚いたのは肉の切り方! ウエイ
トレスさんがほとんど専属で世話してくれるのですが、ステーキ大の肉を大きなハサミでバチ
ン、バチンと切って鉄板に置いて行くんです! 日本では考えられないですが、それが韓国の
やり方なのだそうです.なかなかダイナミックでした.しかし、その切り方とは裏腹に肉の味
は脂がのっていて柔らかく、銀座9のカルネステーションとは比べものにならないほど旨かっ
たです(比べるなって ^_^;).あと、酒の飲み方.これも日本と韓国ではかなり違ってました.
日本では「とりあえずビール」が一般的ですが、こちらでは「とりあえず焼酎」なのだそうで、
日本でもよく見かけるジンロが出てきました.これをお猪口で飲むわけですが、日本のように
レモン水やウーロン茶などで割ったりしないので結構きついです.しかも、相手に注ぐときは
まず自分のお猪口を空けてからそれを相手に手渡して注ぐという、全く理解不能なシステムを
採用しているようです(笑).なもんで、油断するといつの間にか自分の前に3つくらいお猪口
が並んでしたりします.この状況を打開しようと一気に飲み干して相手に注いだりしていると、
だんだん記憶が薄れて行くわけです.やるな、韓国...嗚呼、死亡.-_-;



4月29日(木)

当然、本日は二日酔いの朝です.昨晩はそのままバタンキューだったのですが、今日は遊んで
いるわけにはいかないので何とかシャワーを浴び、むりやり朝飯をとっていざ出発! しかし、
頭がガンガンします.連れの後輩もかなり気分悪そうでした.車の中での約1時間は後部座席
の真ん中に座らされたこともあって、私は不機嫌でした.

実は今回の出張の目的は、依頼した製品が設計通りに作られているかどうか等をチェックする
工場視察で、本日訪れた場所は金属加工工場でした.まあ、ここから先は仕事の話で全く面白
くないので割愛しますね.どうしても見たい人は出張報告書をお見せします(笑).

さて、長くて遅い昼食(夕方になってしまった)をとり終え、今回の出張のメインワークである
(笑)戦争記念館へ! この辺りは竜山地域といって、以前は米軍基地の多くあった場所らしい
です.ソウル駅から地下鉄4号線で2つ目の三角地という駅が最寄りです.94年に開館した
ばかりでまだ新しいのですが、規模は想像以上に大きく、三国時代以前からの朝鮮半島の歴史
を見ることが出来ます.とは言っても例によってハングル文字ばかりなので何が書いてあるの
かさっぱり分かりませんでした.館内は三階建てになっていて、全部まじめに見ようと思うと
丸一日かかるかも知れませんね.というわけで、館内はさっさと飛ばし見して^_^;、屋外展示
場へ...と屋外に出る前にエイブラムズもどきである韓国産K1戦車を発見しました.なか
なかカッチョ良かったです.屋外にはT34T54などの北側戦車とM4M48パットン
などの南側戦車が整然と並べてありました.もちろんデジカメで写真をバシバシ撮ったのです
が、時間が夕方であったために逆光気味であまり良い写真が撮れなかったのが残念です.

昼食が遅かったので、なかなかお腹が空きません.そこで、南大門市場で買い物することに.
ここは東京でいうと上野のアメ横のような雰囲気の場所で、庶民的な活気にあふれる感じがし
ます.ふと、腕時計の露天商が目に入ったので立ち寄ってみました.もちろん、狙いは「なん
ちゃってグッズ」です.店員も我々が日本人だと分かると「ハイ、にせもの、にせもの〜」と
手招きします.なかなか正直で笑ってしまいました.そこで、「なんちゃてロレックス」など
をいくつかかを選ぶと店員が「4万ウォンね」と言ってきたので、「3万ウォンにしてよ」と
一応値切ってみると、「ん〜、3万5千ウォンならいいよ」、「いや、3万2千5百ウォン」
などと延々とやっておりました.ちなみに韓国の通貨であるウォンは日本円の約1/10なの
で、表示価格を見ると一瞬チビリます(笑).

その後、ホテルの近くのフグチリが食べられるところで食事.久しぶりにあっさりした味で美
味しかったのですが、必ず各種キムチがテーブル上に出ていて、さらにそれが例によって焼酎
ロックと見事に融合し、舌は常にヒリヒリ状態なのでした.韓国では「味のわびさび」などは
感じないようです.-_-;



4月30日(金)

昨晩はあまり飲み過ぎなかったので(営業さんが気を利かせてくれた?)、今朝の目覚めは好調
でした.朝ご飯もしっかり食べられたし、やはり朝はこーでなくっちゃね.

今日も昨日と同じ工場視察ですが、昨日とは別の重電機関係の工場です.車で移動しましたが、
後部座席の真ん中もいつの間にか慣れて(なぜか定位置になってしまった)、気持ちよくて寝て
しまいました.この日の仕事は少々長引いたので、終わった頃には日が暮れそうでした.

夕食までにはまだ時間があるので付近のスーパーマーケットでお買い物しました.いつも外食
ばかりの私としては日本でも滅多にスーパーなどには行かないので、ここのスーパーの値段が
安いのかどうか分かりませんが、何となく安そうでした.「そうだわ、キムチ買っとかなくっ
ちゃ」とでも言っているのでしょうか、おばさんがたくさんいました.私もお土産にキムチと
海苔とインスタント・ラーメンを買いました.後日、ここで買ったラーメンを食べてみたとこ
ろ、超激辛でスープが飲みきれませんでした.嗚呼、偉大なる韓国、痔になりそ...

ソウルに戻り、今度は梨泰院とよばれる繁華街で買い物です.あまりブランド品には興味がな
いのでTシャツなどを探したが、そんなに安くはなかった.サッカーW杯共同開催のTシャツ
も一応買いましたが、そう言えば日本ではあまり見ないのはなぜだろう..

夕食は後輩の「レバニラ炒めが食べたい」という切実な(笑)リクエストにより中華料理になり
ました.とは言っても、韓国では日本にあるようないわゆる中華風定食屋は無いらしく、中華
料理というと高級レストランになってしまうようです.多少後輩の想像とは違っていたようで
すが、とりあえず円卓だったので私は安心しました.ここで初めに出てきたお酒がまた凄かっ
た.「高梁酒」という中国の酒で、味は日本酒にちょっと似てましたが45度もあって少しし
か飲めませんでした.あの酒で例の「お猪口循環システム」を採用していると、即死でしょう.
料理はまあまあといった感じでしたが、韓国ではとにかく出てきた料理は必ず店員がよそおっ
てくれるんですね.円卓を回しながら自分で取るのもいいですが、楽なので韓国式も良いかも
知れません.それにしても、唯一、円卓を使ったのは例の焼酎循環システムのベルトコンベア
としてだけでした...

多少酔っぱらいましたが、まだ理性を保っていると思われたのか、2次会はホテル付近のカラ
オケに連行されました(笑).日本語で「カラオケ」と書いてある店であれば、だいたい日本語
の歌があるそうです.(ちなみに韓国の街では店の看板等に全く漢字が使われておらず、ほと
んどがハングル文字です.なので、何のお店なのかは覗いてみるまで分かりません)カラオケ
といっても日本のようなボックスではなく、テーブルが何台かあるようなクラブ系の店でした.
(お姉さんは付きませんでしたが^_^;)初めはほとんど貸し切り状態でしたが、次第にお客さ
んも増えてきて歌うことが恥ずかしい状況になってきました.しかし、歌わないと営業さんの
顔も立たないので、無謀にも何曲か日本の歌をぶちまけてきました(笑).吉幾三の「雪国」や
サザンの「愛しのエリー」が結構うけてましたが、一番うけたのは何故かマッチの「ギンギラ
ギンにさりげなく」でした.異常にノリノリでした(笑).ん〜、奥深き国、ビバ韓国!



5月1日(土)

戦争記念館での軍事偵察という極秘重要業務も滞り無く終了し、思い残すことなく帰国の日を
迎えることが出来ました(笑).帰りの便も、もちろん実績のある大韓航空です.おかげで安心
して永眠することが出来ました(しまいにゃ怒られるな...^_^;).

とにかく、商社の営業の方々にはお世話になりっぱなしで感謝&感謝でした.今度東京に来た
ときは是非、新宿を案内して欲しいようなことを言ってましたので、イエサブに行って異次元
ワールドを体験してもらうのも友情の証かも...(笑)




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